2010年7月21日水曜日

自然栽培のお米 選定基準について

~さらばふっくら、もちもち神話~ 



日本人にとって主食のお米。
あなたはどんなおコメが好きですか?


「やっぱりもっちりとして甘みのあるお米かな」

「魚沼コシヒカリが一番!」

「わたしはひとめぼれかな・・・。」

「九州男児はヒノヒカリだよ!」



さまざまな意見があると思います。



“甘くて・モチモチ”がおいしいと言われる米。消費者の求める声にあわせて、品種改良が行われてきました。
でも甘くて・モチモチしたお米が本当に身体に良いものなのでしょうか?なぜに甘くてモチモチしているのでしょうか?
その背景にはどんな事情があるのでしょうか?



ここでは私たちにとっての大切な「主食」、お米について考えてみましょう。



明治期の日本人は茶碗に8杯くらいのお米を食べていたと言われます。結構ビックリな数字ですよね。それに比べて現代人は2杯前後だそうです。私たちは以前ほど、お米を食べなくなっているのですね。



こういうと「それは食の洋風化が原因だよ!」とか、「いや日本が豊かになったからだよ」、いろんな答えが返ってきそうです。もちろん様々な要素があるとは思いますが、ここではお米の品種に焦点を当ててみたいと思います。



コシヒカリに代表されるお米。モチモチとしたお米を好む消費者の傾向も手伝って、コシヒカリよりさらに甘く、モチモチしたお米の品種改良に拍車がかかってきました。



「低アミロース米」という表示をご覧になったことはあるでしょうか。



ミルキークイーンに代表される甘くてモチモチしたお米。
日本人にはこの甘さが好まれるようですね。



ところで甘くてモチモチしたお米の象徴はモチ米ですよね。



モチ米といえば、赤飯やおこわ。でも毎日赤飯やおこわを食べるのは難しいですよね?だから昔の人はお祝い事や特別な”ハレの日”に限って食べていたわけです。甘みを含んだ濃い味のお米をたくさん食べる、このことは身体にとってはもしかしたらハードなことなのかもしれません。何だか米と体との関係が見えてきそうな気がします。



一方で古来日本人は、あっさりしたウルチ米のお米を主食としてきました。ウルチ米は粘り気が少なく、味も薄い。あっさりしているから、たくさん食べるのに適している。



つまり身体にとって無理のないお米といえるようです。



ジャポニカ米といわれる日本のお米。しかし、世界に目を向けるとタイ米のようにあっさりしてさっぱりとした長細いインディカ米があります。ジャポニカ米にもインディカ米にもその中に、ウルチ米とモチ米があります。



お米のうま味を決めるのはデンプン質の違いです。
お米のデンプンは「アミロース」と「アミロペクチン」、この2種類で構成されています。数字で言うと、アミロースが0%・アミロペクチンが100%のお米は「もち米」。一方、アミロースが15~23%・アミロペクチン77%~85%のお米が「ウルチ米」というわけです(この辺の数字は諸説あるようです)。



インディカ米はアミロースが25%以上といわれます。ジャポニカ米のウルチ米は17%~23%といわれます。そして低アミロース米のアミロースは5%~15%と言われています。ミルキークイーンは大体が10%程度です。



つまりアミロースの量がゼロに近ければ近いほど、そしてアミロペクチンの比率が高ければ高いほど、”モチ系”のお米というわけです。一方のウルチ系はアミロースの量が多く、アミロペクチンの量が少ないものを指します。モチ系は糖度が高く、ふっくら・モチモチ。ウルチ系は糖度が低く、粘り気が少なくあっさりした味となるのです。



近年、日本において、お米の品種改良の歩みは



いかに甘く・ふっくら・モチモチさせるか?



このことに尽きるのではないかと感じます。つまりアミロースの量をいかに減らすか?もっと言えば、どこまで「モチ米」に近づけられるか?、このことを至上命題にしてきたわけです。



通常、「低アミロース米」のアミロースは5%~15%とお伝えしました。アミロースは作り手や土地によっても変わってくるようです。低アミロース米の生産者は“アミロース15%”なんて言われると「残念!」と、ガックリ肩を落としてしまうのですね。



最近、「低アミロース米」と銘打って、モチモチ感をアピールされることが多くなっています。また、さらには”冷めてもモチモチ”という銘柄のお米までも売られています。



でもよくよく考えれば、”冷めてもモチモチ”なんて、すごく不自然なことですよね。そうしたお米の中には、ミルキークイーンのようにコシヒカリにメチルニトロソウレアという化学物質を施し遺伝子に突然変異を起こさせて品種改良しているものまであります。



そのようなお米が、いくら「無農薬でつくっているよ」「有機栽培だよ」といわれても、片方のタイヤがパンクした車のような気がします。遺伝子操作したお米が、知らぬ間に私たちの口に入ってしまっている、その可能性を誰もが拭い切れない状況にあるのです。



もちろん国が認可して販売されているお米です。きっと安全を十分確認した上での販売なのだと思います。それでも化学物質を使って遺伝子に突然変異を起こさせるという取り組みには、不自然さを感じてしまいます。



さらに販売上、パッケージに突然変異を起こして作った品種であることを謳う義務は残念ながらありません。調べれば把握することはできますが、何も知らなければ疑わずに食べてしまうことになります。



私たちがこの事実を知ったのは、「お米アレルギー」の方の中には、ミルキークイーンはもちろん、コシヒカリすら食べられない人がいて、アミロース分の多いササニシキやキヨニシキなどは大丈夫という人が多かった事実からです。



「有機か?」、「低農薬か?」、「無農薬か?」、そうしたことに関心が奪われがちですが、お米の品種についても、しっかり見極める必要があるのです。



”冷めてもモチモチ”、そんなお米はどこか不自然な気がします。だからと言って、”食味の追求”が間違っているというつもりはありません。「おいしい!」はもちろん大切な要素です。「身体に良い」という理由で、美味くもないものを食べ続けることは、好ましいものとは思えません。



ただそれを過度に・極端に求めていけば、私たちの「健康」が犠牲になる。そんな結果につながりかねないのです。ものにはやはりホドがあり、何事も極端に偏ってはならないと考えます。



そうした中、肥料や農薬を使わない自然栽培でお米を作っていくとアミロース分が高くなることがあります。さらに自然栽培では自家採種といって、農家がタネや苗を買わず、自分の田んぼで採れた米をタネとして、次の年に使うことを勧めています。
もちろんすべてではありませんが、こうしていくことでその地域、土地、生産者にあった品種になっていくことが想像されます。



事実、自然栽培農家の中には、自家採種していくことで、タネの特性が変わることを指摘する人がいます。ササニシキやコシヒカリの特性から離れ、その地域、人、土にあった品種になっていく、このことはむしろ自然なのではないかというのです。


人間都合に作り出していく品種か、自然と人が土という現場で調和しながら生まれてくる品種か、いずれにしても命をつなぐ意味が問われています。


(※お米のデンプン成分であるアミロースは天候によっても多少変動します。お米の登熟期(稲穂の実が太っていく時期)において、気温が高いとアミロース分は低くなります。逆に気温が低いとアミロース分は高くなるといいます。)



だから私たちは
遺伝子操作のリスクと、農薬・肥料のリスクの極めて少ない自然栽培米を広げる活動をしています!

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